彗星のごとくあらわれ、ゲーマー界を賑わわせているフランス産RPGの「Clair Obscur : Expedition 33」。
とりあえずタイトルの読み方がわからないって人が多く、なんとか33なんて呼ばれていたりもするそうですが、カタカナで書くと「クレール オブスキュール : エクスペディション33」ですね。
「クレールオブスキュール(clair-obscur)」は、フランス語で「明暗」を意味し、芸術においては「明暗法」や「明暗描法」として知られているようです。これは、光と影の強い対比を用いて、絵画や彫刻に立体感や深みを与える技法です。この技法はルネサンス期に発展したそうで、ゲームの時代背景としてもその時代の様子を参考にしている部分も多いようです。
私自身興味本位で始めたこのゲームですが、おもしろさのあまり、あっという間に実績コンプリートまで走り抜けてしまったほどですw
冗談抜きでここ数年でプレイしたゲームの中で最もぶっ刺さりました。
そこでこの記事では実績コンプしたプレイヤー目線での良かった点と気になった点をゲームの概要を交えながら紹介していきます。
Expedition 33 のここがすごい!
プレイしながら素晴らしいと思う点が多かったので列挙していきます。個人的にぶっ刺さったゲームなので長くなったらすみません💦
没入感抜群!序盤から引き込まれるストーリー
まずは何と言ってもストーリーが刺さりました。あらすじはこんな感じです。

67年前、世界に突然おきた「崩壊」。
崩壊とともに出現した謎のモノリス。
そしてペイントレスと呼ばれる巨大な女性。
ペイントレスはモノリスに書かれている数字を書き換え、毎年1つずつ減らしていく。
この世界では、モノリスに書かれた数字以上の年齢の人は世界から「抹消」されてしまう。
その抹消を食い止めるべく、ペイントレスのもとへ派遣される遠征隊。
モノリスの数字は今年34から33となった。
その名を冠する第33遠征隊がこの世界の不条理を打ち壊すべく奮闘する物語。
ごめんなさい、もう面白いです。
主人公たちは不条理がある世界に生まれついているんです。
抹消されるまでの人生を安全な街で過ごす人。
後に続く者達のために遠征隊に参加する道を選ぶ人。
抹消されることがわかっているから子どもを作る選択を取れない人。
このゲームの始まりはモノリスの数字が34から33に書き換えられ、「抹消」が行われるタイミングからはじまります。
街中の愛する者達との、不条理に突きつけられる別れから始まる戦いにどっぷり感情移入させられます。
主人公たちはこの世界が抱えた問題を打ち破るためにペイントレス打倒のために立ち上がるんですね。
ペイントレスとはなんなのか。
この悲しみの連鎖を断ち切ることはできるのか。
続きが気になりすぎるストーリーに心を鷲掴みにされました。そりゃもうワシっと。
もちろんゲームを進めていくと、この世界の真相が明らかになっていくので、もっと詳しくお話ししたいのですが、ネタバレになってしまうのでまた別の記事で書いていきます。
圧倒的楽しさ!独自性抜群の戦闘
突然ですが皆さんはRPGの戦闘に対してどんなイメージを持っていますか?
- レベリングが大事
- 最初は楽しいけど後半にダレてくる
個人的にはこんなイメージがありました。
年を取ってくるとストーリーは気になるけど戦闘が面倒だなぁと思うこともあったりします。
ところがどっこいすっとこどっこい。
このゲーム、もっと戦いたい!と思わせてくれるようなシステムなんです!
何と言ってもコマンドバトルRPGなのにパリィと回避があるんです。
もう一度いいます。コマンドバトルRPGなのにパリィと回避があるんです!
大事なことなので2回言いました。
敵の攻撃はモーションが決まっており、敵の攻撃のタイミングは敵の種類によって決まっています。
その敵の攻撃の瞬間にボタンを押すことで、パリィもしくは回避ができるようになっています。
つまりダメージを一切喰らわずに完封することだって可能なんです。
パリィと回避は次のような違いがあります。
回避はパリィより判定がゆるいため、敵の攻撃パターンを把握していないときは回避を使うほうが安全です。
パリィは判定がシビアではありますが、敵の攻撃を全てパリィするとカウンター攻撃をすることができるんですね。
敵のターンなのに攻撃ができるということになります。
敵の攻撃を全てパリィ、と書きましたが、このゲームでは敵が一連の流れで複数回攻撃してきます。
その一連の流れ全てをパリィすることができればカウンター攻撃が出せるということです。
カウンター攻撃の演出もかっこよくて、すべてパリィできたときの気持ちよさたるや…
さらにこのカウンター攻撃の火力がかなり高めなんですよね。
パリィを極めるメリットしかありません。
判定 | メリット | |
---|---|---|
回避 | ゆるい | より安全 |
パリィ | シビア | 全パリィでカウンター |
また、ミスって全滅してもオートセーブがされていて、すぐ近くから再開できます。
そのため敵の攻撃パターンを把握してから再挑戦したら倒せた敵もたくさんいました。
ここが個人的に刺さった部分で「こいつ、戦いの中で成長してやがる。」ができるんですね。
レベルを上げるのって少し面倒だったりするのですが、戦闘自体が楽しいこと、適正レベルより高い敵でもがんばれば倒せることが後半になってもダレずに楽しめる要因になっていました!
超絶美麗!美しすぎるグラフィック
Expedition33を語るうえで欠かせないのがグラフィックと音楽です。
幻想的な世界観と美しい色使いがちりばめられていて、その辺を歩いているだけで楽しくなるほどのグラフィックでした。
マップ上で歩けない遠くの景色も丁寧に作られていてぼーっとマップの向こうを眺められるほどです。
またライティングにもこだわって作られたようで、光の表現、明暗が美しいことも没入感を高めていたように感じました。
個人的に特に好きだなぁと思ったのは舞い散る花びらの紅白色です。
抹消で消えてしまう人たちは、赤と白の花びらとなって消えて行ってしまうのですが、その美しさと儚さがストーリーの最初からぐっとExpedition33の世界に引き込んできます。
美しいグラフィックはマップだけではなく、戦闘時のグラフィックも私をくぎ付けにしました。
武器の軌跡がかっこよく残るシーンやカウンター時の演出。繰り出す技ひとつひとつのキャラクターの動きも洗練されており、いろんな技を使いたくなること間違いなしです。
戦闘シーンのグラフィック、演出はもう「かっこよ!」の言葉以外は何も出てこなかったですね…
ストーリーボスを倒す際には特殊な演出が入るシーンがあるんですが、プレイしたことのある人は絶対「かっこよ!」と思ったはずです!
映画顔負け!素晴らしすぎる音楽
下の動画は制作会社が公式でアップしているサウンドトラックの動画です。
再生したら、どうぞ好きなところから聴いてみてください。
不思議なことに、どこから聞いても神曲が聴けます。
いい意味でゲーム音楽とは思えないような圧倒的クオリティと壮大なスケールを感じさせる楽曲がたくさんあります。
ゲームをプレイしていない人が聞いたらおそらくすべての楽曲が「この曲大事な場面で流れてそう!」と思うのではないでしょうか?
ちょっと誇張表現のようですが、そのくらいすべての楽曲がすばらしいのです!
気になった方は音楽から入ってみるのもいいのかもしれません。
曲自体は違っていても、同じフレーズや同じメロディが含まれるものもあり、おそらく意図的に我々の耳に残りやすいように作られているように感じます。
最初の街であるルミエールの音楽などはもうずっと頭の中で再生されています。
中毒性も魅力もあふれる楽曲の数々。
世界を歩くプレイヤーたちの冒険をより一層素敵な体験にするものとなっていました!
Expedition 33 のここが気になる
ここからは気になった点を何点か紹介します。
全員が完璧と思えるようなゲームなんて存在しませんから、あくまでも個人的所感として読んでもらえればと思います。
正直このゲームを好きになりすぎているため、粗探し状態です。全部好きです。
姑の小言みたいになってしまっていたらすみません。
最初はストーリーが捉えづらい
序盤から専門用語のようなものが飛び交います。
そもそも遠征隊がモノリスの数字に対応してることを知った状態でゲームを始める人の方が少ないはずですから、最初は少し戸惑うかもしれません。
また67年前であるモノリスの数字が100だったときは第0遠征隊、次の年から第99遠征隊となり、1ずつ数字が減っていくんですね。
私自身はこういうだんだん物語の真相や世界観が明らかになっていくタイプのストーリーは大好物なので楽しめましたが、こういった設定や物語の知識みたいなのが最初に出てくることに嫌悪感を持つタイプの方にはお勧めしません。
また、会話の中に代名詞が多いです。(日本語だけかも?)
おそらく意図的に彼女、彼、あの人、が誰を指すのかがわからないようにされています。
そのあたりはある程度の知識を持ってからストーリーを見ないとわからず、2週目でこれってこういうことだったのね!と気づくようなミステリー小説的楽しさがありました。
そういった要素を楽しめない人は、ストーリーを楽しみ切れないかもしれないと感じました。
マップがなく迷いやすい
これは各種SNSでも何度か見た意見の一つですが、マップがありません。
厳密にいうとワールドマップはあるのですが、各種ステージ内のマップはありません。
開発側としてはこれは意図的にそうされていたもののようで、分かれ道の正規ルートにはランプなどの光源が設置されているとのことでした。
つまり、まっすぐ進みたければ光の方に、いろんなアイテムを集めて探索したければ光のないほうに進むといいということになります。
このあたりもClair Obscur(明暗)をうまく使うゲームデザインなんですね。
しかし、それはゲーム内でアナウンスされる場面はないため、マップが欲しい!迷う!といった声が上がるのもうなずけるものではあります。
確かに振り返るとマップの各所に光源がありました。
また、正規ルートじゃない側に進んでアイテムを拾っても、最後は正規ルートに戻ってこれるようなマップデザインになっていました。
そのため、アイテムを拾って後に、いま来た道を歩いてだらだら戻るようなことはなかったように思います。
この点は探索好きにはありがたい仕様でしたね。
再戦が面倒
これは本当に細かい部分ではあるのですが、敵にやられた際に少し前のセーブポイントに戻されます。
再戦するかセーブポイントに戻れるかを選択出来たら楽だなぁと思いました。
これは私が面倒くさがりな悪いところが出ていますが…
マップの切れ目がわかりづらい
私自身が探索したがりなので、いけるところは全部行きたいタイプなのですが、どう見ても登れそうなのに登れなかったり、足場っぽいのにマップ外である場合がありました。
主人公は私のわがままで、足を踏み入れることができない岩場に向かって何度ジャンプさせられたのでしょう…
ごめんね主人公たち…
とまぁそこまでしないタイプの人にはここは気になりもしない点だったのではないかと思いますが、探索マンには不親切な部分かなと思ったりもしました。
こんな人におすすめ!
ここまでよかった点と気になった点を書きましたが結論から言うと次に当てはまる人はやってみることをお勧めします!
- RPG好きだけどコマンドバトルに飽きてきた人
- RPGはあんまりだけど、ソウルライクなどのパリィ回避アクションが好きな人
- 美麗な世界観を旅するゲームが好きな人
- ストーリーの考察をするのが好きな人
- ゲームの中で音楽は大きな要素の1つと思っている人
これらの人にはこのゲームのどこかがぶっささるはずなのでぜひやってみてください!
ちなみにこのゲームはXbox game pass(PC game pass)に含まれているため、月額で楽しめるのもポイントです。
私自身game passで遊びました!
クリアは30時間もせずに可能なので、買うのはちょっと高いなぁと思っている人でも、ゲームパスで1か月でクリアしてしまうのも一つの手かもしれません。
なにはともあれここ数年で一番楽しいと思えるゲームだったので、この記事をきっかけに遊んでくれる人が増えればと思います!
長い文章でしたが読んでいただきありがとうございました!